> > Fire King アドマグ 米国聖公会

Fire King アドマグ 米国聖公会

Posted on 2013年6月5日 | 4 Comments

ファイヤーキングのアドバタイジングマグから、「米国聖公会 ウェストヴァージニア教区」(Episcopal Church of West Virginia)。
2012年3月にオークションで購入しました。

Fire King Episcopal Church of West Virginia
Centennial 1977 coffee mug


Fire King Episcopal Church of West Virginia coffee mug

『ファイヤーキング パーフェクトブック』では、レア度が星3つと紹介されている。
クラシックな紋章デザインと、モダンなカラーリングが美しいよね~!!
ペンシルバニア州兵マグと同じく、紋章モチーフ好きにはたまらないデザインで、2年ほど探してようやく出会えた。


聖公会(Anglican Church)は、イングランド国教会の流れを汲むキリスト教の教派だ。
聖公会という名前は、「聖なる公同の教会」(Holy Catholic Church)を意味しており、西方教会におけるカトリック教会とプロテスタントの中間として位置づけられ、「中道」(Via Media)の教会とも呼ばれている。

16世紀のイングランドから始まり、アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアなど世界各地に広がった聖公会の諸教会は、聖公会連合(Anglican Communion)と呼ばれている。
米国聖公会(Episcopal Church in the United States of America)は、アングリカン・コミュニオンのひとつだ。
現在、米国における教会員は、およそ300万人と言われている。


こちらのマグには、"Episcopal Church of West Virginia CENTENNIAL '77"と記されている。
米国聖公会 ウェストヴァージニア教区の100周年記念マグであることは間違いない。

ウェストバージニア州は、もともとはバージニア州の一部だったが、南北戦争(1861年-1865年)中の1863年に、州北西部の48郡が分離独立して、ウェストバージニア州が結成された。
南北戦争中に、南部の連合国であるアメリカ連合国から脱退し、北部の合衆国に加盟した唯一の州となった。
終戦後の1877年に、米国聖公会のウェストヴァージニア教区は成立したわけだね。
ウェストヴァージニア州は、岩塩や石炭といった天然資源が豊富であり、新しい鉄道交通が天然資源の輸送を可能にしたため、新しい州は急速に経済発展したらしい。

それから100年間に、世界は2度の世界大戦を乗り越え、冷戦の時代が訪れる。
冷戦のさなか、米ソデタントと言われた時代、アメリカではニクソン大統領が退陣して、カーター大統領が就任し、ソ連ではブレジネフ書記長が活躍していた1977年に、このマグが作られたと思うと、胸アツだな~!!

Fire King Episcopal Church of West Virginia coffee mug 2

マグには、ウェストヴァージニア教区の紋章(Coat of Arms)がプリントされている。

ギザギザのラインは、ウェストバージニア州の特徴であるアパラチア山脈を表現しているとのこと。
ウェストバージニア州は、アパラチア山脈内部に位置しており、山岳州(The Mountain State)として親しまれている。

ヘルメットは、ミトラを戴いている。
ミトラは、カトリックでは司教冠と呼ぶが、聖公会では主教冠と呼ぶようだ。
黄色(紋章学的には金色)のフィールドには十字架、赤色のフィールドには交差された剣。
サポーターは、牧杖と天国の鍵。
赤のリボンに黒文字で、"Redeem The Time"というモットーが書かれている。

カトリックでは、司教が祭式の時に持つ、先端が曲がった杖を司教杖と呼び、ミトラと同じく司教の権能の象徴である。
聖公会では、牧杖(パストラルスタッフ)と呼んでいるようだ。

伝統的に、天国の鍵は聖ペテロのシンボルであり、剣は聖パウロのシンボルである。
宗教絵画や聖人像において、ペテロが鍵を持ち、パウロが剣を掲げているモチーフが非常に多い。
ペテロと鍵の結びつきは、イエスがペテロに「わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。」(マタイによる福音書、16章19節)と話しかけたことに由来する。
パウロと剣については、パウロがローマで剣にかかって殉教したことに由来するとの説もあるが、やはり「エフェソの信徒への手紙」で、信仰を盾に、救いを兜に、神の言葉を「霊の剣」に喩えたような、メッセージの力強さに、キリストの忠実な兵士としてのパウロのイメージがあるのだろうね。


モットーの言葉は、「エフェソの信徒への手紙」にある。

Redeeming the time, because the days are evil. (Ephesians 5:16)
「時をよく用いなさい。今は悪い時代なのです。」(エフェソの信徒への手紙、5章16節)

1970年代のアメリカは、60年代のすさまじい経済成長が減速し、スタグフレーションに陥る。
1971年のいわゆるニクソン・ショック以降、金本位制が完全に崩壊し、世界経済は大きな変動の時代へ向かっていく。
1970年代はまた、1972年に国連の人間環境会議が初めて開催され、「かけがえのない地球」をスローガンに人間環境宣言(ストックホルム宣言)が採択され、世界で環境運動、消費者運動が高まった時代でもある。

愚かな者としてではなく、賢い者として、細かく気を配って歩みなさい。時をよく用いなさい。今は悪い時代なのです。だから、無分別な者とならず、主の御心が何であるかを悟りなさい。酒に酔いしれてはなりません。それは身を持ち崩すもとです。むしろ、霊に満たされ、詩編と賛歌と霊的な歌によって語り合い、主に向かって心からほめ歌いなさい。そして、いつも、あらゆることについて、わたしたちの主イエス・キリストの名により、父である神に感謝しなさい。(エフェソの信徒への手紙、5章15節-20節)

モットーの言葉「時をよく用いなさい」が記されている聖書箇所を読むと、当時の人びとが何を大切にして生きていたかが、自然と伝わってくるよね。
「今は悪い時代」であっても、家族を守り、日々の暮らしを立て、誠実に正しく生きようとした人びとの息づかいを感じる。

Fire King Episcopal Church of West Virginia coffee mug 3

現代の米国聖公会は、女性が首座主教に選ばれたり、同性愛や中絶を公認している。

同性愛者の権利については、1976年に教会に受け入れられる「神の子ども」であると宣言しているんだよね。
1960年代から70年代に、アメリカをはじめ西側諸国で高まったゲイ解放運動(Gay Liberation)、ゲイ権利運動(Gay Rights Movement)の影響だと思うが、キリスト教諸教派の中ではかなり画期的だろう。
オープンリー・ゲイの男性が主教に選ばれていたり、同性結婚式を行う教会もあるようだ。

米国聖公会は、儀式や教会の組織といった外見はカトリック寄りだが、中身はリベラル寄りなんだね~。


マグの刻印は、「ANCHOR HOCKING, アンカーマーク, FIRE-KING, OVEN-PROOF, MADE IN U.S.A.」。
1960年代中期~1970年代中後期の製造と言われている刻印だが、このマグのように製造年がはっきり分かると、うれしいね!
シェイプは、スタッキングマグ・リブドボトム。
1977年生まれのマグだから、今年2013年で36歳になる。
年齢的に、自分よりも一回り年上のお兄さんといったイメージだな~。
このマグの来歴を知ることで、いろいろな気づきがあったので、マグに教えられたというか、出会いに感謝だね。



-------------------------------------------
★使ってみた

Food with Fire King 049


Comments:4

  1. こんばんは♪

    とっても色使いが素敵なマグですね!!
    私の持っているプリントマグは、単色使いか、多くて2〜3種類の色しか使われていないので
    こちらのマグのようにたくさんの色が使われているのを見ると、とても新鮮に感じます(*^_^*)

    masatoさんは紋章モチーフがお好きなんですね♪
    ひとつひとつの柄にちゃんと意味が込められているところが、スゴイ!!と思いました。
    私がアドマグを選ぶポイントは、「あ、可愛いっっ」「色が好み♪」くらいしかないので(^^;)

    これが「リブドボトム」なんですね〜。私はまだひとつも持ってません。
    手に持った感じはいかがですか?やはりスタッキングマグとは違うのでしょうか?

    うっっ・・・masatoさん・・・私が思っていたより相当お若いっっ(笑)
    ついついそこに反応しちゃう私が、なんか哀しいわ(^^;)

    masatoさんはその若さで、言葉の使い方がとっても美しくて、正しい日本語をお使いで
    表現力も豊かでいらっしゃるし・・・とっても素晴らしいですね!!

    年齢関係なく、素敵な人は素敵な人なんだと深く感動しちゃいました。
    私はmasatoさんより相当年上ですが(笑)、これからもどうぞよろしくお願いいたします(^o^)/

    返信削除
    返信
    1. レオねねさん、いつもコメントありがとうございます!
      ”カラフル”と”紋章”と、自分の好きなものが詰まったアドマグです♪♪

      こちらは、企業ロゴによく見られるような”紋章風デザイン”ではなく、”本物”の紋章なので、紋章学に基づいた読み解きが出来るんです。
      Episcopal Church of West Virginiaの公式サイトに、教区の歴史や、紋章の意味など、大変詳しく書かれていました。
      この紋章をデザインしたのは、Jan Campbellという女性で、ウェストヴァージニア教区の第4代主教であったWilburn C. Campbellの妻だったようです。
      紋章学の伝統的なルールを守りつつ、モダンな色彩設計で、すごくセンスある女性だったんでしょうね~^^

      今回のマグは昨年、海外オークションで26.55ドルで落札しました。
      しかも、2個セットだったんです。
      1個当たり、約13ドルという破格の安さ!
      昨年は、スーパー円高だったので、アメリカからの送料をプラスしても、かなーり良い出会いだったと思います^^
      この安さにもかかわらず、2個とも未使用に近い美品で、さらに幸運でした。
      2個のうち一つは、いつもお世話になっている女性牧師にプレゼントしました^^
      笑顔で受け取ってもらえましたが、今考えると、他教派の100周年記念マグとか、よく受け取ってもらえたなと。。。
      どこの教派のものか、来歴をちゃんと調べないで、デザインの良さだけで選んだことに反省しきりですよ~。
      次はぜったい、教派に関係無く、誰でも使える、プレーヤーマグを選ぼうと思っています。

      こちらのマグのほかに、ペンシルバニア州兵マグも、リブドボトムです。
      プレーンなスタッキングマグと比べると、リブドボトムの方がハンドルが平たいというか、広い感じなので、こちらの方が若干持ちやすいかな、とは思いますが、全体的には同じような使い心地だと思います。

      若輩の自分と、このように親しくお話してくださり、とても感謝しています!
      ファイヤーキングは、素敵な縁を結んでくれたな~と思います★
      今後とも、どうぞ仲良くしてくださいね^^

      削除
  2. こんばんは(^^)

    とってもカッコいいマグですね!
    masatoさん、本当にお写真綺麗だから写真集のようですよ(≧▽≦)

    紋章って、一つ一つのアイテムや描かれている位置に意味があるって言いますものね。
    こうやって詳しく解説して貰うと凄く面白いです。
    私も、そのものが持っている歴史とか背景ってすごく好きなので。

    知る前と知った後では、やっぱり楽しさも変わってきますものね☆
    そっかー、masatoさんはこのマグよりも一回りも弟さんなんですね~。
    私はこのマグよりもお姉さんです~^^;(笑)
    でも、こうやって趣味を通じてお知り合いになると、年齢は関係ないかな~って。←ずうずうしい^^;
    なので、これからもどうぞ宜しくお願い致します(〃▽〃)

    返信削除
    返信
    1. nyancousagiさん、いつもコメントありがとうございます!
      このマグのおかげで、米国聖公会について少し知ることが出来て、なかなか勉強になりました。

      日頃から聖書にはふれていますが、キリスト教会史や組織神学にはあまり興味がなく、他教派については知らないことが多いです。
      西方教会と東方教会の違い、西方教会の中のカトリックとプロテスタントの違いといった、大きな特徴しか把握していなかったんですね。
      米国聖公会は、かなり早い時期から女性聖職者を受け入れ、性的マイノリティの権利や、中絶の権利を認めているようで、アメリカのキリスト教諸教派の中では珍しく、リベラルだな~と思います。
      この強いリベラル寄りの姿勢に反発する保守派が、米国聖公会から分裂して、2008年に北米聖公会を立ち上げたようです。
      性的マイノリティの問題、中絶の問題をめぐって、どの教派でも保守派とリベラル派の対立が顕在化していて、興味深いですね。

      nyancousagiさん、年齢に関係なく仲良くしてくださり、とても感謝しています!
      nyancousagiさんご夫婦の暮らしぶりから、結婚生活に憧れを感じています~^^
      テーブルウェアを、2人分はもちろん、おもてなし用に4人分揃えるところなど、すごく参考になります。
      これからも、どうぞ仲良くしてくださいね♪

      削除

Powered by Blogger.

Popular Posts